2022.11.24
量子コンピュータは何ができる?実用化によるメリットと課題を紹介
量子コンピュータとは、「量子の特性を用いて、圧倒的な高速処理が可能なコンピュータ」のことです。
量子コンピュータの仕組みを理解するため、先ずは「量子」について少し理解する必要があります。量子とは、宇宙の全てのものを構成する最も小さな「エネルギーの粒」のようなものです。
この量子には「状態の重ね合わせ」という性質があります。「重ね合わせ」とは、2つ以上の状態を同時にとるということです。例えば、100円玉には「表」と「裏」という状態がありますが、これを机の上で回転させることを想像してください。コインの「表」か「裏」かの状態は、倒れるまで測定できません。このような「どちらでもある」状態を「重ね合わせ」と呼びます。(量子自体も、粒の性質と波の性質の2つを持ち合わせていると言われています。)量子コンピュータは、この「重ね合わせ」の理論を利用することで、高速な計算を可能としています。
通常の(古典)コンピューター、スーパーコンピュータとの違い
通常の(古典)コンピューターでは数字や文字、音、画像などのデータは全て、「0」と「1」の組み合わせに変換して処理されています。そして「0」と「1」のビットで表現される情報を、電気回路上のスイッチのONとOFFに対応させることで処理が実行されます。
量子コンピュータでは「0」と「1」を重ね合わせた「0+1」という状態での処理が可能です。このような「0+1」という情報単位は「量子ビット」と呼ばれ、この計算を可能にする電子回路は「量子ゲート」、量子ゲートを用いる量子コンピュータは「量子ゲート方式」と呼ばれます。
また、「スーパーコンピュータ」と量子コンピュータは処理の仕組みが大きく異なり、スーパーコンピュータは、「CPU(中央演算処理装置)」とGPU「(画像処理半導体)」を多数繋げることで、高速な処理をしています。それに対して、量子コンピュータは先述の通り、量子力学を用いた全く異なるアプローチで処理をしています。
量子コンピュータの実用化で実現できること
現在、量子コンピューターは開発途上にあり、ビジネスの現場などでの実用はもう少し先になりそうです。しかし、その活用方法は多くの研究機関や企業で模索されています。
量子コンピュータには以下の特徴があります。
- 最適化問題を即時に解ける
- 大量のデータを瞬時に分類できる
- さまざまな状況をシミュレーションできる
- 複雑な計算を瞬時に行うことができる
- 原子や分子を扱う
- 瞬時に複雑かつ膨大な計算が可能
上記のような、特徴や特性を活かし、実現を期待されるものとして
- AI技術の発展促進
- 需要や未来の予測
- 薬品開発の高速化
- 交通・物流経路の最適化
- ロボットの高速開発
- 金融のリスクや不確実性のシミュレーション
等が上げられます。
量子コンピュータの課題
技術的な課題としては、「量子エラー」が挙げられます。これは現状の量子コンピュータのハードウェアがまだ不完全なものであるため生じる誤りで、エラーが起きると計算結果が正確なものではなくなってしまいます。
量子コンピュータの「複雑な計算を瞬時に解く」というメリットは、リスクにもなり得ます。具体的には、仮想通貨や金融分野を中心に広く使われている暗号が容易に解読される可能性が指摘されています。
さいごに
今回は、量子コンピュータについての概要や実現できること、課題などについて紹介しました。まだ、技術的に課題は多いものの、その処理能力は圧倒的です!
将来、技術の課題をクリアし実用化されれば、私たちの生活にを大きなインパクトを与えそうですね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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