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エフェクチュエーション(起業家的な問題解決アプローチ)でイノベーションを創造!?

エフェクチュエーション(起業家的な問題解決アプローチ)でイノベーションを創造!? | ビジネス

 

エフェクチュエーションとは

みなさんは「Effectuation(エフェクチュエーション)」という言葉を聞いたことがありますか?

”これはバージニア大学ダーデン経営大学院の
Saras Sarasvathy教授が唱えている理論で、
27人の創業者へのインタビューから
その成功に関わる行動パターンを導き出して理論化した
起業家的な問題解決アプローチ」のことである。”

 

 

”目標設定型アプローチ”の限界

何かものごとを進めていくとき、
はじめにゴールを設定し、そのゴールを達成する手段を検討していく
というアプローチが一般的です。
企業においても、事業計画等を作成する際に
まずは売上の達成目標を定めて、その実現方法を検討していく
というようなやり方が多く使われています。

Sarasvathy教授によると
このようなアプローチは「Causation(コーゼーション)」とよんでおり、
ある程度、未来が予測できる場合においては有効だが
「不確実で未来が予測できない」場合においては通用しないと言っています。

 

 

起業家が取る問題解決アプローチとは

一方、不確実な状況の中で新たなビジネスを創造していく
起業家はどのような考え方をしているのか?

Sarasvathy教授は起業家に共通して見られる問題解決アプローチを
「Effectuation」とよんでおり、
こちらは最初にゴールを設定するのではなく、
今ある手段から新しい可能性を創造していくアプローチ」と説明しています。

不確実な世界においてはCausation(コーゼーション)のような
因果的推論アプローチは機能しないので、
あえてゴールは設定せず、今ある手段を利用して行動していく中で
新しいゴールを発見していくという考え方です。

 

 

イノベーションに必要な5つの起業家的マインド

このような起業家的な
Effectuationのアプローチを実践していくにはどうすれば良いか?
Sarasvathy教授は、具体的には
下記の5つの起業家的マインドが必要だと言っています。

 

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1. Bird in Hand:今手元にあるリソースから始める

日本語に訳すと「手の中の鳥」
目標を設定して、そのために必要な手段を集めていくのではなく
まずは「今手元にあるリソースを使って始めていく」ということです。

今手元にあるリソースと言われてもピンとこないのであれば、
「Who you are?  (あなたの特徴/特性や能力)」
「What you know?  (あなたが知っている知識や経験)」
「Who you know?  (あなたが知っている人)」
からアイディアを発想して、実際に行動していくことからはじめます。

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2. Affordable Loss:許容可能な損失を設定する

企業ではアップサイド、つまりどれだけ売上やリターンが得られるかを
計算することにとらわれがちですが、
予測不可能な世界においては、そのような数字はほとんど意味をなしません。

かわりにダウンサイド、損しても良い金額をあらかじめ決めておき
それを上回らないように行動していくことが大切です。
起業家は積極的にリスクを取るような印象を受けますが、
実際は、最低限損しても良いレベルを決めておき
その中で積極的に行動しています。

 

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3. Crazy Quilt:協力してくれる人を増やしていく

”クレイジーキルト”とは、
大きさや生地の異なる布を繋ぎ合わせて作る”パッチワーク”のこと。
Effectuationでは「行動していく中で得られた協力者とのコラボレーション」を意味します。

予測不能な時代においては
マーケットや競合はどんどん変わっていきます。
様々な人との出会いを通じて、まずは”ポテンシャル・ユーザ”を見つけ
商品やサービスの”試作版”を提供してみることが大切です。
それを続けていくことで、徐々に賛同者や協力者が現れ
結果的に、彼らが”次の新しいリソース”や”ゴール”を与えてくれることになります。

 

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4. Lemonade:偶然の出来事を活用する

海外のことわざで
「when life serves up lemons, you make lemonade.」
というものがあります。
これは「酸っぱいレモンが与えられたら、甘いレモネードを作れ」という意味です。

Effectuationでもレモネードは「偶然の出来事を活かす」ということで、
思い通りにいかないようなことがあっても
ポジティブに捉えて、それをプラスに転じるような行動や発想をすることで
新たなイノベーションが生み出されやすくなります。

”偶然のイノベーション”の例として
コカ・コーラやポテトチップス、電子レンジ、ポストイット、チョコチップクッキー
などがあります。

 

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5. Pilot in the Plane:コントロール可能な部分に集中する

”Pilot in the Plane”とは、操縦席のパイロットのように
不測の事態に備えながらコントロールできる部分に集中し、
実際に得られた結果から次の行動につなげていくことです。

新しい手段やゴールを発見したら
さらに新たなサイクルを回していくことで、
チャンスの輪を広げていくことができます。

 

 

企業が新しいイノベーションを生み出すには・・

エフェクチュエーションのような
起業家的なアプローチにシフトしていくことが必要になります。

ただ、目標設定型アプローチが必要ないということではなく
既存の事業の延長(1を10にする)なのか、
全く新しい事業に取り組んでいく(0を1にする)のかによって
2つのアプローチを使い分けていくことが重要です。

まずは企業の経営層や新規事業に取り組むメンバーが
”起業家的アプローチ”を体得することによって
新たな未来を切り開いていくことができるのではないでしょうか。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

私たちビジネスパーソンは、
コーゼーション的なアプローチはよく知っていますが、
エフェクチュエーション的アプローチを知っていて尚且つ
実践している方はあまりいないのではないでしょうか。

ITの進歩により、ビジネスが加速し、ニーズが多様化する
誰もが先の読めない時代だからこそ、
そこで生き抜くための「発想の転換」や「新しい知恵」が必要になってきます。

エフェクチュエーション」が
あなたのビジネスに”イノベーション”や”ブレークスルー”を起こす
きっかけになることを願っています。

 
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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